割れた風鈴


LINEで送る

 気に入ってた風鈴が風で落ちてバラバラに割れ、それを接着剤でくっつけて直したという話。

来たるべき未来に、人が生きていくのにふさわしい都市のカタチはどんなだろ〜と、フランク・ロイド・ライトの弟子パオロ・ソレリが考えたアーコサンティ(Arcosanti)は、アリゾナ州フェニックスの北方約110km、標高1,130mの砂漠の真ん中にある実験都市。
たまたまある雑誌の取材の帰り、わざわざフェニックスまで飛んで見に行ったそこは、思わず「マジか?」とつぶやいちゃうほど、工事は進んでいなく(今でもほとんど変わっていないようだ)、都市どころか砂漠の真ん中に適当に作ったイベントスペースって感じだった。
アーコサンティは、アーコロジー(アーキテクチャーとエコロジーを合わせた造語)概念に従って作られている。
都市を立体的にして人を高密度で収容し人の居住地域を限定することで、土地を耕作地・農地としたり、職住近接を実現させ、クルマを不必要とすることで、人口過剰や環境劣化という問題を解決。さらに、都市を密度と複雑性を備えた一つの有機体として捉え、自然環境に対してもダイナミックに対応できる生態系の一部として構築することにより、省エネルギー、自己充足型の環境を作り出すことができる、という。
いかにも建築家らしい独善的な考察なのだが、世界中にそういったどでかいビルを連立させた街はいっぱいあって、その中で自己完結させようとした試みはわかるのだが、残念ながら、日本では人口過剰どころか減って来てるし、概念だけが一人歩きしていて、所詮無謀なSF的な試みに過ぎない。
で、砂漠の中のそこは、太陽と風を利用した環境適合型のステージとワークショップルームがあり、食堂とちょっとした宿舎があったのだが、建築や環境に興味のある若者たちがワークショップをやったり、土産物として素朴な土器や鋳物の風鈴(ソレリ・ベル)やTシャツを売っているのだが、とてもそんなんで、当初の予定の5000人の都市など、資金難過ぎるだろ〜と思う。
つ〜か、そのままゆっくりゆっくり学生たちと理想に向かって建築し続けるというのが、いいんじゃない?
砂漠の真ん中にユートピアなんて、考えるだけで不遜と言うか、おこがましいと言うか、無理くりすぎだろ〜。

最近ではビャルケ・インゲルスっていう建築家も、そんなことを考えているようだが、いずれにしても人間は居る環境によって精神的にも身体的にも全然変わってくる。建築デザインもものすご〜く大事なのはよくわかる。

という、長〜い前置きの後で、そのアーコサンティで買って来た風鈴が、この前の台風時の強風で落っこちて割れちまったのだ。
カランコロンという土器ならではの素朴な音色が気に入っていたのだが、強風で飛んで落ちてバラバラ(泣)。
しょうがないからアロンアルファでくっつけて、さらにアラルダイトで補強して、なんとか元の形にはなった(音色は多少変わってしまったが)。
陶器の破片を探して組み合わせて着けてる時に、考古学者ってこういう仕事をしているんだなぁと思えた。

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です